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移動ドと固定ド(2011.1月) ソルフェージュって?(2011.1月) 電子ピアノとアコースティック・ピアノ(2011.1月) | ||||||
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かなり乱暴な説明になりますが、「かえるのうた」で例にたとえてみましょう。 “ドレミファミレド〜”、“ソラシドシラソ〜”、“レミ♯ファソ♯ファミレ〜”。 すべて「かえるのうた」に違いないのですが、これらを全て“ドレミファミレド〜”として聴くのが移動ドでのとらえ方、 これらをそれぞれ“ドレミファミレド〜”、“ソラシドシラソ〜”、“レミ♯ファソ♯ファミレ〜”と聴くのが固定ドでの とらえ方となります。 このふたつのある意味、対照的な音感については、しばしば物議をかもしており、古くは1946年に発行されている雑誌にも 掲載されています。 それらのなかでも代表的なものが1979年の雑誌「音楽芸術」誌上での、音楽学者・東川清一氏と作曲家・三善晃氏。 東川氏は移動ドを、三善氏は固定ドをそれぞれ推奨し、何号にもわたって議論が展開されています。 それでは、一体、それぞれどんなメリット、デメリットがあるのか考えてみましょう。 一般的に、移動ドでは、全てをドレミファソラシドでとらえ、基本的にシャープやフラットは使わずに音楽をシンプルに とらえることができ、全体像をつかみやすい一方、転調に弱く、どこの時点でどの調に転調したかが、はっきりと つかみにくいとされます。 また、固定ドでは、全ての音を点としてとらえやすく、音はわかっても音楽の全体像(和声構造)をとらえにくいといった 問題点があるとされています。 それによって、現在に至るまで、どちらかがよいという決定打に欠けるという状態にあり、現在でもしばしばどちらを採用する かは、議論の分かれるところとなっています。 もっとも理想とされるのは、全ての音がわかりつつも音楽全体の構造がつかめること。 そのためには、どちらか一方を練習すればいいというわけではなく、どちらも必要なのかもしれず、また人によっては、 まったく違う練習のほうが身につくのかもしれません。 ところで、私自身は固定ドが強く、歌を除く楽音に関してはそれが顕著にあらわれます。 ところが、現在、通っている音楽理論のスクールが移動ドを採っているため、通い始めの当初は非常に混乱しました。 しかし、ある日、「音」を移動ドのドレミで点としてとらえるのではなく、音同士の前後のつながり、例えば「□−(長3度)− □」という動き(音程)をド−ミ等でいいかえるというふうにとらえようとした途端、急に納得しました。 音楽は本来、ドレミではなく、私たちがとらえやすいように、ドレミという名前をつけているにすぎない。 極論をいえば、音楽は元来、音と音との連なりにすぎないのであって、それらがわかれば、ドレミは必要ないと いえるわけです。 昔、グイドという人がレコーダーもない当時、人から人へ音の高さを示し、伝えやすい方法論として、ドレミを使い始め ました。 もしかしたら、私たちはそれにとらわれすぎているのかもしれません。 | ||||||
をつけるための訓練といった意味でつかわれることが多くなりました。 それでは、「音楽の基礎力」とはなんなのか。 音程、リズム、読譜、視唱練習、暗譜、聴音などなどそれらは多岐にわたりますが、わかりやすいように語学に置き換えて みましょう。 語学を学ぶとき、私たちは「聞く、話す、読む、書く」をバランスよく身に付けることをめざします。 同様に、音楽を学ぶ上でも「聴き取る、演奏する、楽譜を読む、楽譜に書き記す」事をバランスよく身に付けることで、 母国語のように自由に音楽に向き合えるようになります。 さらに訓練を積むことで、楽譜を見ただけで、実際にどういう響きとなるのか思い浮かべることができるようになります。 これを内的聴覚といいます。 この内的聴覚が鋭敏になれば、それは、楽譜を読んだだけで、「知っている曲」になるわけですから、譜読みも暗譜もずっと 楽になります。 また、この力は、私達が「空」という字だけを読んで、実際の空を思い浮かべることができるのと同じことで、ある選ばれた 一部の人達のみの能力ではありません。 向き不向きがあるとはいえ、訓練次第でたいてい身に付けることができます。 この内的聴覚を高めるための大変有効な練習方法が、まず、実際に自分の声で正しく歌うことです。 特に小さなお子さんのレッスンでは、歌うことが弾くことと同じくらい重要なのです。 教師の歌ったり弾いたりする姿をそっくりまねようとすることで、正しいものとそうでないものの区別がわかるようになり、 また、実際に自分自身で歌うことによって、見えない音というものを具体的にとらえやすくなります。 そうしたことを経て、徐々に、楽譜を読むことや、楽譜に書き記す練習も始まります。 また、生き生きとした音楽に欠かせないのが、やはり生き生きとしたリズム感です。 そのため、リズムだけを取り出し、たたいたり、ステップをふんだり、ジャンプをしたりとさまざまなアプローチを行います。 それによって、自然な抑揚を音楽で表現できるような素地を養います。 一見、ピアノと無関係に思われるような事も多いかもしれません。 しかし、これらはピアノに限らず、音楽全体に共通するテーマでもあります。 将来的にピアノ以外の楽器や歌を学ぶことになっても必要とされることでもあり、また、音楽をより長く、深く、楽しめる ポイントにもなります。 | ||||||
生まれ、現在では、キーボード、電子ピアノといったものまでをも含め、「ピアノ」という時代になっています。 この電子ピアノ、価格もアップライト・ピアノやグランド・ピアノに比べ安く、重量も軽いため、非常に手軽に楽器を用意できる と、とても人気です。 特に、最近の電子ピアノは、昔よりもずっと機能に優れ、タッチもアコースティック・ピアノ(グランド・ピアノやアップライト・ ピアノ。音を発生するために電気を使わない)に近づいてきました。 しかし、やはり電子ピアノとアコースティック・ピアノは鍵盤の大きさや数は同じものの、楽器としては全く別のものと とらえるべきです。 どう違うのか。主に演奏における楽器上の相違点を以下に述べていきたいと思います。 1.鍵盤のタッチによって発生させる音量、音質の差 電子ピアノは、鍵盤を押すスピードによって16段階程度(製品によります)にカテゴライズされた音を電気的に再生(発生) させます。それに対し、アコースティック・ピアノは、鍵盤を押すスピードにより、楽器内部にあるハンマーが弦をたたく スピードによって無段階的に音を発生させます。 別の言い方をすれば、電子ピアノでは、そのカテゴライズがあるため、少々下手にひいても修正されて上手に聞こえ、 逆にアコースティック・ピアノでは、カテゴライズによる修正がないため、弾く側が完全にコントロールをしていないと、 上手に聞こえません。 ピアノは管楽器などと違い、単音(一つの音だけ)で曲を弾くことはなく、常に和音で曲を成り立たせています。 どの音をどれくらいの音量、音質で弾くのか。 音同士のバランスを考え、そのコントロールされた体を駆使して、演奏者によってそれぞれ違う演奏が成立します。 電子ピアノでは、楽器の持つ表現力に上限と下限があるため、なかなかそこまでは難しいといえます。 2.発生させた音の響き方の違い 電子ピアノでは、備え付けのスピーカーから音が発生します。それに対し、アコースティック・ピアノでは、弦をハンマーで たたいた音が、楽器全体のボディとそのほかの弦にも共鳴しながら、音が響きます。 電子ピアノでも、製品によっては、楽器の背面に音を響かせる装置を設置してあるものもあるようですが、弦に共鳴させる というのは、聞いたことがありません。 この、弦と楽器のボディ全体に音を共鳴させることによって、ピアノの音はより複雑で豊かな奥深い音となります。 これは、大変デリケートな音の問題です。ですが、この点は非常に重要な違いとなります。 以前、ある女の子のレッスンをしていたのですが、お母様にはいつもレッスン中、レッスン室の中でお待ちいただいて いました。レッスンを始めたばかりのころは、電子ピアノとアコースティック・ピアノの音の違いをはっきりとお感じに なられていないようでしたが、1〜2年たったころ、しみじみと「やっぱり電子ピアノと(アコースティック)ピアノでは、 音が全然違いますね」と言われるようになりました。 3.電子ピアノで練習している生徒にある特徴 特に年齢の低い生徒ほど、指をはじめとする筋肉が電子ピアノでは十分に鍛えられないため、芯のある音になりにくく、 また、右手と左手の音量のバランスのコントロールなど、細かなコントロールが特に苦手なようです。そのせいか、 音もラフになりがちに感じます。逆に大人の場合、手が十分に成長しているため、芯のある音にはなりやすいですが、 やはり成長しきっている手に細かいニュアンスのコントロールや、速い動きは難しいようです。 以上の通り、ピアノでの演奏表現を磨くには、やはり電子ピアノでは不十分と言わざるをえません。しかし、電子ピアノでも、 音感などは十分鍛えることができますし、電子ピアノを弾きこなすことはできます。 でも、ご家庭の事情が許せば、ぜひアコースティック・ピアノを用意していただき、ピアノとピアノ演奏のもつ奥深さ、 楽しさを感じてもらえるようになってほしいと思います。 |
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